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都市の生態系とドバト(鳩)の巣まい

動物の巣と人間の住居は似て非なるものです。


工事前の現場で、土地を整地するために木の伐採をすることがあります。


先日現地調査をした際、伐採予定の梅の木に鳩の巣がありました。

梅の木の枝を少しかき分けたところで、少しひっそりとしたところで卵を温めていたのでしょう。

見つかった鳩2羽はバツが悪そうにそわそわしていて、悪いことをしたなと隠して見ました。


伐採時は嫌になって巣を捨ててしまったのか、巣立ちしてくれていたのか、鳩はいなくなっていたので、いいような気もしますが、多少の罪悪感を残しながらの伐採となりました。


建物を建てることはそれまであった環境を変えてしまうということ。どんな建物であれ、内装工事であれ、建築は環境破壊なことを常に思って仕事をしないなと改めて感じてしまいました。





住宅は人間の巣だと思っていたのですが、巣というのもなかなか一筋縄では行かず、実はそうとも言い切れないようです。


人間の住宅で究極に要素を削ぎ落とした時に、最後に残るのは何かという問いには、色々な答えがあると思いますが、寝る場所と、所有するもののための収納の2つは切り離せないように思います。


割と巣を作ることが多いのは鳥ですが、もともと鳥の巣は子育てをするためのシェルターの役割のようです。

独り身である鳥は適当に雨風をしのぐことのできる木の枝などで過ごします。

渡り鳥に至っては、巣どころか、休むこともなく移動して、他の地に移動します。


案外人間と似ているのは虫の巣で、アリやハチなどは、食料の貯蔵と、子育てのための場所を作ることが多いようです。


人間に近そうなチンパンジーは、寝心地を考えてベッドを作ることはありますが、雨風しのげるようなシェルターまで作ることはなさそうでした。


なんとも自然ではない、人間の住宅ですが、住宅が集まって都市になり、その都市の中にも鳩のように生態系を作っている動物たちがいます。今後もなんとか自然と共生できるような、住宅や都市づくりができればと考えています。

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