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Temppeliaukion kirkko
自然と建築は相容れないものですが、どこかで建築は自然と共存したいと思っているように思います。
フィンランド、ヘルシンキにある、テンペリアウキオ教会もその一つのように見えます。
テンペリアウキオ教会はティモ・スオマライネンとトゥオモ・スオマライネンの兄弟によって設計され、1969年に完成しキリスト教の教会です。
内部の壁は巨大な岩をくりぬいたままの姿で、天井には鋼のドームが乗っています。
岩は氷河期に削られてできた模様が今でも残っています。
鋼の円盤のドームは岩とは切りはなされて浮いているように見えます。
もちろん、実際に浮いているわけではなく、また、岩肌をくりぬいただけではなく、
くりぬいた岩肌の上に石垣状に岩を積み上げて平らにし、その上に骨組みをわたしてその上に仕上げとしての鋼の板がいるわけで、骨組みの間もガラスがはめ込まれているので、実際は岩肌と屋根が地続きになっています。
しかし、岩肌と石積みを自然につないだ残し方と、そこから異物のように出てくる骨組みの直線との取り合いが見事です。
実はフィンランドは岩の多い国だと思います。
実際調べてみると、岩は雨風、川の侵食などによりどんどん砕けていきます。
しかしフィンランドにはほとんど山がなく、岩が侵食されることなく岩のまま残るという現象があるようです。
また、冬は氷に覆われるような寒い地域なので、川は凍結し、植物の根も張らないため、岩を削る自然の作用が少ないという説もあるようです。
自然物と人工物との組み合わせで魅せる建物は世界中にいくつかありますが、その中でも特に圧倒的なスケール感を持った建物のひとつでした。
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