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Skogskyrkogården – Stockholms stad
北欧のスウェーデンに位置するストックホルムです。
バルト海の中ではサンクトペテルブルクの次に都会とい街で、大航海時代に活躍した都市でもあるため、海沿いに綺麗な街並みです。
ストックホルムに来た一番の目的は、20世紀以降の建造物としては始めて ユネスコの世界遺産に登録された建物である、グンナール・アスプルンド設計の「森の火葬場Skogskyrkogården」でした。
なだらかに傾斜をつけた坂を登って行くと、視線の少し右側に有名な十字架が立っています。左側は目隠しの石の壁があります。故人を偲びながらゆっくりと登っていけるようなシークエンスが仕込まれています。行きと帰りで動線が交わることがなく、一方通行なので、誰にも邪魔されることなく想いを馳せることができる空間ができています。
広大な敷地の使い方や、歩いている時に感じる思いを嫌という程共感できる建物です。その演出は宗教の違いを乗り越えて響いて来ます。何を主張するでもなくただあることだけで人に思わせる空間は見事です。
アスプルンドは早世で55歳の建築家としては脂が乗っているか今ならまだ若手でも通用するような時期に亡くなっています。この森の火葬場のコンペを当てて、設計者に選ばれたのは30歳の時。
30歳の若者にこのプロジェクトを任せた役所側もすごいのですが、やり切った若者も偉大です。まだまだ注目を得るために奇をてらいがちな年齢で、これだけ共感を得られる作品を残せることがすごい。時代が違ったとはいえ、僕はもうこの人の歳をゆうに超えてしまったなと。いや、訪れた時にはアスプルンドがコンペに勝った歳に迫っていたなと。焦りを覚えます。
亡くなった年齢を越えてしまったという日が来るのが怖い今日この頃でした。
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