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スイスの首都はベルンです

Bern, the capital of Switzerland

Bern, the capital of Switzerland

15年ほど前一年間スイスのチューリッヒに住み設計事務所に勤めていました。毎週末違う町に行って、町歩きをするのが楽しくて仕方がなく、割と天国のような暮らしをしていました。

 

そんな中、当時知らずに行ってしまったのですが、スイスの首都はスイス最大の都市チューリッヒではなく、世界都市の一つであるジュネーブでもなく、スイス4番目の規模になるこの「古都」ベルンになります。

 

世界遺産にも登録されている旧市街の石造りの町並みです。

街の屋根は全て赤茶色の瓦で統一されていて、壁はベージュの石造りです。

学生に美しい町並みを作るように課題を出すと間違いなく屋根の色や素材を出してきますが、まさにそれを体現したような町並み。

 

なんとなく日本の京都を思い出させます。

 


 Zytglogge Bern ベルン旧市街ツィットグロッゲ
Zytglogge

それでもこのベルンの町で揃っているのは屋根、壁の色だけではなく、窓の位置、高さ、大きさまでなんとなく揃っていて、一階は歩行者用にロッジアになって続いているのが、徹底していて驚きます。

 

窓もロッジアも、大まかに続いているのに完全に同じでないということが面白い。少しずつずれながら、それでも同じように作る塩梅がこの全体の雰囲気を作り出しているように感じられます。

 

目抜き通りの道路の中に建つツィットグロッゲは1220年に作られて、その後1500年代に再建された時計台です。建築当時門の役割をしていた建物なので、道にはみ出すように建っているのは当たり前にも思えますが、なんとなく違法建築にも見えてしまい、不思議な建物になっています。間を路面電車の線路が通っているあたり、路面電車を通すに当たって壊す予定が立ち上がらなかったのか、もともとあったものに路面電車を通すので、不具合はなかったかなど、勝手に不安になってしまって、どこか徹底した街を残す意思を感じます。

 

 

1日で歩けてしまう町並みですが、便利さだけではない、街並みを残す意思と、そのために色々と発見させてくれるような街並みなのでした。

 

 

 

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