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アメリカと「錯乱のニューヨーク」

ニューヨーク 自由の女神 旅する建築家

クライスラービルの高さ比べと、案外歩いても楽しい街並み

学生時代バックパッカーをしていました。

数年前数えた時は、50カ国前後でした。

リヒテンシュタインやルクセンブルク、バルト3国等も入れたので、ちょっと数を稼いでいる気もしますが、バチカンは外しています。


そんな中で、一番多く回数を訪れているのはアメリカだと思います。

街として印象深いのは、やはりニューヨークでしょうか。いわゆるアメリカは広大な土地の中に、まっすぐにのびる道をひたすら走っていくような風景です。しかし、ニューヨークはそれとは異なり、いきなりの摩天楼がそびえ立つ町並みはアメリカの中でも特異な町並みだと思います。


南西—北東に細長いマンハッタン島を輪切りにしたような都市計画で、北側からハーレム、アップタウン、ミッドタウン、ダウンタウン、ブルックリンとなり、中央少し北東側のアップタウンの真ん中にセントラルパークがあるというわかりやすい都市計画をしています。自由の女神はブルックリンのだいぶ先にある小さな島に立っています。


ニューヨークセントラルパーク
セントラルパーク

摩天楼と呼ばれる、タワーが立ち並ぶ街並みですが、20世紀初頭に高さ勝負をしながら作られて言ったのは有名な話です。

クライスラービルは当初246mの世界一高いビルの計画をしながら、近くに260mのビルが建つとわかると282mに変更して完成。ライバルが直後に設計変更をして283mで完成させると、そのあとで、最大の特徴とも言える頂部のトンガリを4つに分けて製造し、さらに38mを追加して、319mとなり当時世界一高いビルとなりました。

しかし一年後また近くに建つエンパイアステートビルに追い抜かれて世界一の座を明け渡してしまうという、これぞいたちごっこを繰り返してできた街並みです。


一気に開発されたことで、基本はその当時流行ったアール・デコ様式で統一されています。 バラバラで安ければ建つ、安くないと建たない日本の街並みに慣れてしまった我々には、世界一を競って、それに見合うデザインを施したビルが立ち並ぶ街並みは、整った綺麗な街並みに見えます。しかし、欧米ではそんな評価はなく、レム・コールハースの「錯乱のニューヨーク」に詳しくそれぞれの建物の錯乱度合いが書かれていました。


ニューヨーク、クライスラービル
クライスラービル

また、一般に、この街は歩く人のために作られていないという議論も多い街並みです。

しかし個人的には車社会のアメリカで、車なしで地下鉄を乗り継いでいくと観光できる街並みに向かって、なんてことを言っているんだと思ってしまうような。


普段言われていることを少し疑ってみてもいいかもと思わせてくれた街並みなのでした。

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