top of page

生活を考えるということ

つみきのいえ

住宅から生活を考えるようになりました。

衣食住と言いますが、わたしたち設計士の職業は住にかなり偏りがある仕事です。

ひと昔前までは全身ギャルソンを着て、高級レストランでしか食べない、毎日バーを飲み歩いて仕事を取ってくるなんていう建築家がいたそうですが、僕たちが学生時代設計を始めた頃には、全身ユニクロを着て、コンビニ弁当の中でも安いものを選び、朝から晩まで模型つくりなんていうのも珍しくなくなっていました。


そのまま20年ほど過ぎてしまったのですが、40になったあたりで、健康や体重が気になりだしました。


体重を気にして、毎日体重計に乗り、運動や食べ物を気にしだすと、必然、食べる時間なども気になりだします。

だんだんと、日々の掃除や習慣などが気になりだすようになりここ数年はできるだけ規則正しく生きていくことに目覚め始めました。


テレビを見ていると割と若い芸能人たちがそういうことを言っているのを耳にしたりしますが、体型を上げ下げしてはいけない仕事の人たちが私たちより早くに気にするのは当然のことのように思えます。


そうすると、全てをきちんとしていくことが快感になってきて、いつの間にか下着や靴下が全部一色で同じものになっていき、シャツも同じものをいつでも着られるようにしていきます。

なんとなく毎日同じという生活が、心地よくなってきました。


そうすると、仕事にもずくなからず影響し始め、家事の動線が気になりだし、今まで、特に20代の頃の設計では少なからずおざなりにしてきた家事動線などがスッキリし始め、収納をどうしたら効率よく使えるか、出し入れがスムーズかに目がいくようになってきました。

毎日のことなので、毎日同じように効率よくスムーズになることで、ストレスなく、気持ちよく生活するということが見えてきて、その器としての住宅というものが見えてくるようになってきたと考えております。



と思っていたら、実は、同じ下着でもヘタリ具合が違ったり、黒だと思って買った靴下の中にネイビーが一つだけ混じっていたり、

でも捨ててしまうのももったいないので、早く捨てられるようにそればかり履いていたりします。結局黒が履きたくて、ほとんどが黒にしたのに、間違えたネイビーの一本だけを洗濯から返ってくるたび、1日置きに履いているという逆転が起きたりしています。

結局毎日同じようにとはなかなか行かないものです。


bottom of page