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清家清さんの「やすらぎの住居学」を読み返しています。
学生時代に読破した本ですが、住宅の設計に関わるようになったことで、改めて、20年ぶりに読み返し、暮らしを見直してみようとおもいました。
作者の清家清さんは言わずもがなの戦後間もない巨匠建築家です。ネスカフェのCM「違いのわかる男」ででもあり、建築家から見た、暮らしについてエッセイ形式でやすらぎの住居学という本を書かれています。
読んでいる中で、会わなきゃできないことがあるのタイトルがありました。
顔がみたけりゃ写真あり
声が聞きたきゃ電話ある
こんな便利な世の中に
会わなきゃできないことがある
戦時中の海軍での歌だそうです。
いまや、スマホがあれば上二つは解決しているわけですが、
色っぽい意味を抜きにして、住居は会うための場所であるといっています。
当時から、プライバシーは外にあり、住居は人と会い、家族に会うためのパブリックな場所であるという清家さん
満員電車では人の距離が近いにも関わらず、人と目を合わせることもなく、自分の世界に入っており、人と話す時は家の中、職場の中。
家の中はプライバシーを作る場所ではなく、パブリックな場所であるという理屈。
そんな中で家の中で個室をつくるのではなく、家族で過ごす場所をつくる大切さを説いています。
二十年以上前の本ではありますが、
なんとなく今のコロナの時代にあっている話ではないかと思います。
人と会えなくなった時期があり、おうち時間が多くなり、家の価値が見直されている今、「違いのわかる」巨匠が見た、空間と暮らしをもう一度振り返ってみています。
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