top of page

建築から見た電柱の話

電信柱

「電柱の高さがなぜあの高さか知っとるか?」​
広島での修行時代に工務店の社長から言われた言葉です。

「電柱の高さがなぜあの高さか知っとるか?」​

広島での修行時代に工務店の社長から言われた言葉です。

実は電柱はトラックで運ぶことができきるギリギリの長さで高さが決まっています。

横向きに信号機を取り付けるとき、ビスで繋ぐのも、施工がしやすいから。

実はどう作るかによって、大きさや、どこに繋ぎが来るかなどが決まっていることも多いのです。

学生の頃、電柱に伝っている電線が、日本のほとんど全ての家や建物をつないでいるということに気づき、不思議な気持ちになったことがあります。

電線のどこか一本をどこかの巨人がつまみ上げてしまえば全ての家がプランプランとぶら下がるような錯覚に囚われました。

その前に電線が切れてしまうだろうという、強度の問題はさておき、日本中の電柱は電線で日本中の建物とつながっているということになります。

なんとなく不思議な気がしませんか?

そんな電柱ですが、景観が悪くなると悪者扱いをされがちです。

横浜、みなとみらい周辺は電柱を地中化し、電信柱と電線のない街並みになっています。だんだんとそんな小綺麗な街並みが増えてきているようです。

そんな中、弊社が入っているみなとみらいのシンコービルの前の通りにはには電柱が。 どういうことだと、電線を追ってみるとどこにも繋がっていませんでした。

きっと役割を終えた電信柱が、ひっそりと立っている姿と思われます。

​日本の風景にもはや溶けていながら、誰も見ようとしない電信柱ですが、思いをはせてみるのも楽しそうです。

bottom of page