20220201 ミース・ファン・デル・ローエ

トートのコラム column

トゥーゲントハット邸ミースファンデルローエ_edited.jpg

学生の授業用に、昔行ったことのある建物の写真の整理をしてみました。

ごの時勢なのでネットで写真を探すわけにも行かず、できる限り学生時代に実際にまわって自分で撮った写真を使って話そうとしているのですが、行ったもののちょうどその時改修中だった建物があったり、量が膨大で苦労しています。

建築にも教科書に出てくるような、いわゆる伝説の建築家がいます。​

20世紀の3大巨匠と言われる、ミース・ファン・デル・ローエもその一人です。

​ファンズワース邸やトゥーゲントハット邸など、世界遺産になっている建物も多く、鉄骨造を使ってガラス張りの建物をつくったことで有名です。​

ファンズワース邸_edited.jpg

そのミースですが、僕はヨーロッパの建築の歴史を一足飛びですっ飛ばした人だと思います。ゴールだと言ってもいいレベルまですっ飛ばしているのではないでしょうか?

 

エジプトから始まって、ギリシャ、ローマ、ゴシック、ルネッサンスと続くヨーロッパの建築史ですが、一貫して大空間を手にする方法であると思います。そのために構造を工夫していきました。

「大空間を手に入れる」=「壁や柱をいかに細くするか」と読み替えることもできますが、20世紀に活躍した建築家であるミースはこの壁、柱をいかに薄く、細くするかということのひとつの限界まで極めた人ではないかと思います。

また、少しでも柱が出るのを嫌い、十字にし、鏡まで貼って存在感を消すということをしています。全てはヨーロッパの建築史のゴールを見据えた結果だと思います。

ミース・ファン・デル・ローエ トゥーゲントハット邸内観.JPG

ただ、ガラスを多用することで、柱、壁を極端なまでなくし、透明な建物を建てた というだけで語れないのがもう一つの魅力だと思います。

 

床、必要な壁、などは自分自身で大理石の切り場まで足を運んで、何千枚から一枚を選び取るような「こだわり」を見せています。石工の父を持ったミースならではの「こだわり」であると思います。

実はその「こだわり」にもミースの本質があるような気がしていて、エンジニアとして構造を考え、透明な建物を作り、アーティストとして材料に異常なまでの「こだわり」を見せた2面性がミースを考える上では大事ではないかと思います。

 

​そう考えてみると素材を避けているようでかなり大胆に素材を見せている建物です。

1930年代に思いを馳せてみるのでした。