ご挨拶

子どもの頃から、子どもでも何をしているのか分かるような仕事をしたいと思っていました。
実際、書類を右から左に流してお金を稼いだり、グラフを見ているだけのような仕事は最後まで敬遠してきたので、そういう意味では建築家という仕事は夢が叶ったとも言えます。
では、実際自分がどう世間の役に立っているかを説明しろと言われると実は少し難しい。
いや、もちろん説明はできるけど、理解してもらうのが難しいのです。
実の母が理解しているかとかなりアヤシイ。相談するとうるさそうとかで、僕に何も言わずに大手ハウスメーカーと結託してこそこそと工事の見積もりを取ってたりします。

デザイナーや建築家なんていうと、一般的なイメージでは自分の作品を勝手につくってしまう人と思われがちで、頼む人にしてみればつくる側の想いを叶えるだけで、奇抜なだけで使いづらいものができてしまうという方も多いと思います。
現状の一般的な建築家が果たしてどうかはさて置き、自分にしてみれば決してそんなことは無くて、できる限りお施主さんのこだわりや、想いは聞いていきたいし、実際住まわれるのはお施主さんである以上、後々文句を言われたくなんてありません。
実は捉え方ひとつで、使い手のことをちゃんと組んで作ることができる唯一の仕事とも思っています。

自分たちが住宅をつくる上で一番の競合は、なんと言っても大手と言われるハウスメーカー。もちろん戸数を建てているだけ、経験もあるし、その分速い。
でも個数を量産する会社ほど、作り手の都合で動いている。最初に決められたマニュアルと素材の中だけですべての状況に対応します。
実際、それぞれの生活に合わせたほんの少しの変更も耐えられないことが多いと聞きます。
高価な素材を勧めるのはどちらも手の掛け方は同じだからだし、手をかける行程にしたても、誰かやっても同じようにマニュアルつくるから、たいして手をかける必要はなくて、挙句に職人が減ったなんて嘆いてる。
法律もそれに合わせて作るから、それは坂を転がる雪だるま方式に同じような問題を作っていって、日本の街並みをつくりあげている。
日本の街はほとんど住宅でつくられているので、ハウスメーカーが日本の街並みを作っていると言ってもいい。

ヨーロッパの、歴史ある綺麗な街並みは必ず人の手が何重もかかってできています。
特に大手のハウスメーカーと言う制度は日本にしかありません。
ヨーロッパが全て良いとは思わないけど、日本の大阪だって戦前は美しい海の街でヴェネツィアにも負けないくらいだったそうです。
そういう街を少しだけ取り戻そうと思って一軒一軒手間暇かけて、端から見たらそんなに違わないようなことをああだこうだ悩む日々です。

ハウスメーカーの手をかけずに素早くつくってしまう姿勢のすべてが悪いとなんて思わないけど、家を建てたり改修したりすることは一生に何度もあることではありません。
一人一人違うはずの生活を包む空間を作る作業。
一度だけ、経験は浅いけど、うるさい建築家気取りにご相談されてみてはいかがでしょう?


 

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