top of page

ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築

ヘザウィック・スタジオ

六本木ヒルズの展覧会に行ってきました

森美術館の東京シティビューで開催されている「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」を見てきました。

ヘザウィック・スタジオはロンドンのデザイン集団で、建築だけでなく、都市計画、プロダクトデザイン、インテリアデザインといった分野を幅広く手がけています。日本では近くに「麻布台ヒルズ」という建物が建つため、それに先駆けた展示になっていました。



Seed Cathedral「種の聖殿」という剣山のような建物


最初に記憶にあるのはSeed Cathedral「種の聖殿」という剣山のような建物。

2010年の上海で解された国際博覧会、いわゆる万博のイギリス館として建てられたパヴィリオンです。

このパヴィリオン、公募によって決まり、「たんぽぽ」と言う愛称がつけられました。2020年までに地球上の種子の25%を集めるというイギリスのプロジェクトがあり、その種子を展示できるような建物になっています。6,7mの棒状のアクリルを約6万本、建物の外から中に向かって、壁や天井、床を突き抜けて設置されています。屋内側のアクリルの先端にはそれぞれに様々な種子がおよそ6万種、約25万個埋め込まれています。種子は小さなものから、ドングリや松ぼっくりのような大きなものまで様々です。

建物は、床を高くした長方形の単純なプランですが、入り口以外のすべての方向からアクリル棒がささっているため、それ自体が綿毛が生えた種子のように見えるという建物です。アクリルの棒はファイバーのような光の入り方をするため、日中は外の光がアクリル棒を通して館内に差し込み、夜は館内の照明が外に向かうため、建物全体が光るような設計です。

360度光と種子に囲まれていると言える空間が作られています。 



Seed Cathedral「種の聖殿」という剣山のような建物

意外だったのはかなり自然を意識していると書いてあること。

割と人工的で構築的な建物を建てる人の印象だったので、実は自然を作り出すことや植物を意識してデザインされていることが意外でした。確かに、Seed Cathedralも種とタンポポで自然ではあるのですが、写真を見ていて自然をあまり感じていませんでした。

日本人にとって自然は触れてはいけないものですが、西洋人にとっての自然は制御し、共存してていくものなのかなと思ったりしていました。

日本人とは少し違った感性でつくられた自然かもしれませんが、一つの共存の形として、見方を変えてくれるような、とても面白い展示でした。

bottom of page