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20230315
花粉症の打開策は建築にあり?

トートのコラム column

日本の花粉症の原因である杉は、実は自然に植わっているような原生林というわけではありません。

戦後住宅不足の中で、1960年代に大量に植林されました。

当時の考えでは杉という材料は構造にもなり、仕上げにもなるため、杉さえ植えておけば、材料不足にならないという多少楽観的な観測によるものでした。

​しかし、実際、杉は構造としては輸入品に負け、仕上げとしては柔らかすぎた、「帯に短かしたすきに長し」な器用貧乏な材料でした。

​日本の工業化、林業の衰退も合わせて、国産の杉の金額は上がり、輸入材料に金額で勝てなくなってしまい、植林された状態で放置されてしまいました。

​当時の杉が猛威を振るい、今の花粉症を引き起こしています。

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花粉症の季節になってきました。

昔からスギ花粉に反応してしまい、鼻はズルズル、目はショボショボ、くしゃみが止まらず、です。

マスクをしてもマスクに反応してしまうのでさらに痒くなってきて、なんとか顔のパーツを外して洗浄できないものかなと画策しています。

最近では薬で抑えられるようになって来ましたが、自分個人だけでも生産性の低下は抑えられません。

実は、日本全体で花粉症による経済損失額は5兆円とも言われています。

弊社では可能な限り国産杉を使い、内装外装作っていくことで、花粉症

​も少しでも解消されればと考えております。

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いっそ全部伐採してしまいたいのですが、木を伐ると森林伐採の印象があり、自然破壊やCO2の増加を考えてしまいます。

実はその歳の樹木は伐採して問題ありません。

SDG'sの観点からも注目されています。

ご存知の通り、植物はCO2からO2を取り出す、光合成と、O2をCO2にする呼吸を同時にしています。

伸びきってしまった樹木は光合成と呼吸が釣り合っており、O2を増やすことには寄与しません。

しかし、伐採した木を燃やしてしまうとCO2になってしまうため、伐採してどこかに置いておく必要があります。

樹木を焼かずに置いておく場所は、建築材料として使うこと以外に大量の木材を確保しておく手段はないかと思われます。

​では打開策として何があるでしょう?

例えば国産杉を使うのに補助金を出すのはどうでしょう?

杉は構造にも仕上げにも使うことができます。今は塗料などで

柔らかい杉を固くできるような塗料もあります。

その結果、林業が活性化すれば、今問題になっているウッドショ

ックなども解消に向かうのではないでしょうか?

地産地消で行うことで、花粉症にもSDG'sにも貢献できる方法なのですが‥。

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